1-1 . 天竺その他、伸縮するけどそれほどでもない生地の場合
横方向への伸縮に比べて、縦や斜め方向の伸縮はかなり小さいです。
襟ぐりで横方向の伸縮というと、前と後ろの部分ですね。
後ろは先述のように裏バインダー始末で固定しているものが多いです。
となると、全く意味がない訳ではないですが
チェーンステッチにしたとしても、ギュイーン!と思い切り伸びる事はありません。
襟ぐりの構造を見てみましょう。
襟先部分はリブなので当然伸びて頭が入りますね。
問題は襟付け部分の襟まわりなんですが、
ここが頭が入るサイズ設定になっている場合は、
縫い代押さえのステッチも伸縮する必要がないので直線ミシンでOK
という事になります。
ややこしいですが、
頭が入るかどうか少し不安な程度であれば
一般的なミシン糸であるポリエステルスパン糸でも少しは伸縮性がありますし、
さらに伸縮性のあるレジロン糸を使う方法もあります。
手元にある私物を見ると直線ミシンになっているものばかりなので、
上記のケースが多いのではないかと思います。
他に、下糸のみウーリー糸を使っても伸縮性が上がりますし、
ご質問のようにチェーンステッチにすると糸を変えなくても伸縮性が上がります。
※ 2020/6/28追記
その後入手したTシャツがチェーンステッチ仕様になっていましたので画像アップします。
身頃が天竺素材なので、やはり直線ミシンより気持ち伸縮するかも ... という具合です。
ただ、無理に着ようとするとブチブチ!っと糸が切れてしまうという事を考えた時に、
チェーンステッチであればステッチそのものが切れないので
直線ミシンよりチェーンステッチにする方が安心感がアップします。
もし、ここまでの方法で頭が入らない場合は
生地の伸縮率に対して設定サイズが小さ過ぎるので修正するか、
下記のようなもっと伸縮する生地を使いましょう。
1-2 . フライスその他、伸縮する生地の場合
フライスやレオタードのようなよく伸縮する生地であれば、
襟付け以外の縫製も全て下糸にウーリー糸を使用する事が多いです。
上糸は、個人的にはフライスくらいであればポリエステルスパン、
さらに伸縮する生地であればレジロンを使っています。
自分がよく使う生地やサイズ感の傾向がわかってきますし、
経験から改善していく事で最適な方法がみつかりますよ。
シングルステッチ以外にも縫い代を押さえる方法はありますか?
もうひとつ、よく見かける方法がありますのでご紹介しますね。
(長いのでさらに次のページへ続きます^^;)
コメント
はじめまして!
ふらっとろっくを購入したばかりで、こちらのブログがとても参考になってます。
リブの仕上げにチェーンステッチをする場合、縫いはじめと縫い終わりの糸はどのように処理するのでしょうか?
ふらっとろっく初心者さま
当ブログをご覧いただき、またコメントいただき有難うございます^^
返信遅くなり大変申し訳ありません。
リブの仕上げのチェーンステッチの縫い始めと縫い終わりの処理ですが、襟や袖口のように輪になった部分の場合は、公開させていただいたYouTube動画の、裾を一周カバーステッチした際と同じようにしています。
縫い始め部分に綺麗に被せて縫い終わり、縫い始めの上糸は切ってしまい、下糸を纏めて目立たないように結び縫い目にくぐらせます。
輪になっていない場合(明きになっていたり、裾脇スリット仕様など)、目立たないように全部の糸を纏めて結び、リブ付けのロックの縫い目にくぐらせます。
これが決まった方法という訳では無いので、さらに綺麗に、ほつれないように仕上がるようご自身で改善していってくださいね^^
お世話になります。
リブの縫い代のおさえ方が知りたくてあちこち検索するうちに
こちらにたどり着き、まさに自分が必要としている情報に
触れることができ、大変嬉しく思っております。
まずは自分で考えてみようと思い、市販品をじっくり見てみると、
どうも身頃側に倒した縫い代に、縫い合わせの線を中心に
カバーステッチがかけてある模様。
(すみません、洋裁にはあまり詳しくないので適切な表現の
仕方がわかりません)
早速端切れでリブを付けた状態のものをロックミシンで縫って
線を中心にカバステして裏返すと、縫い代の半分くらいが
はみ出ちゃっています。
これはつまり縫い代に幅がありすぎるのだと思い、今度は
幅を一番小さくして縫ってみても、やはり縫い代が少し
はみ出していて美しくありません。
何かやり方が違うのかもしれないと、中心縫いを一旦やめて
線の際を縫うとカバステの間に縫い代が収まりました。
でも、なんか違います。
次は、いっそ線の身頃側にずらしてみたらどうかとやってみると、
裏側の出来ばえは悪くないものの、当然のことながら表側は
市販品のそれのように、線を中心にステッチがかけられて
いません。
やはりこれが工業用と家庭用の違いなのかと諦めかけつつ
やっと見つけたこちらのブログを拝見すると、自分の発想は
まんざら間違いではなかったことがわかりましたが、では
どうしてカバステの中に縫い代が収まらないのか、これが
腕の違いかなと思いました。
市販品や先生の作品と同様に、線を中心にステッチをかけたいです。
ただ、カバステの幅を3ミリにする場合、どうやっても縫い代が
はみ出してしまうと思うのですが、リブと身頃の縫い合わせは
ロックミシンでやってよろしいのでしょうか?
お手数かと存じますが、ご教示願えましたら幸いです。
よろしくお願い致します。
※カバーステッチミシンは先週木曜日にセットされていた小さな
端切れで試し縫いをしただけで、今日から練習し始めたところです。
初めてで失敗しても悲しいですので、ストレッチ生地で昨日
縫った犬服の首と裾のリブは、ルーパー糸をウーリーにして、
チェーンステッチでおさえておきましたが、まずまずの
出来上がりでした。
よく伸びますので安心です。
コメント有難うございます^^
そうですね、既製品ですと、やはり色んな縫い方に特化した工業用ミシンを使用しているので、それと全く同じ仕上がりにするのは困難だと思います。
ご自身の持つ技術を駆使して、いかに手を掛けずに、ほつれずに、美しく仕上げるか…それもなかなか楽しいものですね。
リブ付けではないのですが、ラグランスリーブの身頃と袖の部分をまたいで2本ステッチを入れる、というものを作りました。(部位は異なるものの、リブ付けと同じ仕様かと思います)
その時は、身頃と袖を縫い代1cmくらいの直線縫いで縫って、縫い代を身頃側に倒してカバーステッチミシンをかけて、余ってはみ出している縫い代をハサミでカットしてみました。
直線縫いで留めているので縫い目が開いてしまう事もないし、それっぽく仕上がりました^^
犬服は着心地がわからないので、苦しくない安心できる仕様が良いですね。
これからも素敵なものづくりをお楽しみください^^